ドラマで両想いになると急に熱が冷める

ドラマの人物2人が、徐々に心を通わせていくストーリーはいつの時代も人気です。舞台や人物設定にもよるけど、立場やその他諸々のせいで距離を詰められない彼らを見ているだけでご飯が何杯も食べれます。

 

でも2人がついに!あらゆる障害を乗り越えて想いが通じ合ったあとは、急にドラマ自体への興味が薄れてしまう。
ちょっと前まで読んでいたあるTwitter漫画は職場恋愛の話でしたが、なんか2人がくっつきそうとなると、生々しく思えてあまり読まなくなってしまいました。

 

人気だった韓ドラの『愛の不時着』『海街チャチャチャ』も同じ。
昨年観て、両方とも登場人物が魅力的でストーリーも凄く面白かったけど、メインの男女2人が両想いになってからは、(わたし的に)面白さの峠を越した感がしてしまいました。

 

『愛の不時着』の後半はあの2人ほとんどイチャイチャしてますよね。韓国に戻って(潜入して)、追手に追われスリルある中で生活しますが、なんかずっと画面の中でイチャついてますよね。(あれ、2回も言ってしまった)もちろん、逃走劇やセリの家族問題など面白いし、引き離されて一緒になれない可能性もある。

 

でもとりあえず恋愛面ではくっついたねえよかったねえ、以上の感情になれないのです。
漫画『君に届け』も、好きなのはくっつくまでだった気がする。

 

そもそも恋愛ドラマにおいては、「2人が一緒になれない状況」→「両想いを確認」が最高潮のゴール。だから作品の最後は結ばれてハッピーエンドが多い。

 

なんでかっていうと、結ばれたあとはあまりドラマチックな展開がないからです。好き合ってるかわからない時期は感情が毎日ジェットコースターだけど、付き合い始めてしばらくすると、平坦でそんなにビッグな感情イベントはない。喧嘩しても、元さやに収まるか別れるか。


つまりは現状維持かぶっ壊すか! もうそれ以上に高みに行かないので、ドラマの展開的には面白みがなくなる。

 

現実の世界では、両想いになった後に、あれちょっと違ったなと思ったり、細かいすり合わせ(価値観やマナー…etc.)したり。

 

けど、上で挙げたドラマでは、両想いを確認した後にそのゲンナリする細かいすれ違いは描かれずに、大きな困難を2人で乗り越え、さらに固い絆で結ばれるのです。そこに「リアルじゃなさ」を感じてしまうのかもしれません。

 

じゃあそういう小さいすれ違いのが見たいのか? いいえ。あんなことこんなこと色んなハードルを乗り越えてきた2人のそれは見たくない……。でも無視されると、「けっ夢物語やな」と思うあまのじゃく視聴者。

 

好きな映画『プライドと偏見』は、ぶっちゃけくっついてからの身分差や家族の違いがとても心配ですが、映画ではくっついて綺麗に終わっているので、あーいい夢を見せてもらったなあと満足感がありました。

 

もちろん、交際時や結婚後のリアルな違和感やすれ違いを描く作品はたくさんあって興味を引かれるものが多いです。

以前、蕎麦の食べ方が気に食わないと言って別れた有名人がいました。付き合ったらマザコンだった、借金があった、金銭感覚が合わない…… そういう現実を描くドラマも好きです。

 

ですが王道恋愛ドラマでは、ぜひくっつくのを後ろの方にしてほしい、そんなわがままな感想を持ってしまいます。ここまで書いて、単にイチャイチャを目の前で見させるなと言いたいだけかもしれない……汗