WAIS-Ⅳを受けて1年経ってあれこれ〜知覚推理(知覚統合)とか

WAIS-Ⅳ(成人用知能検査)を受けた記事をリライトして追記していきます。昨年受けた所感やその後いろいろ考えたことなど。

受けたきっかけとテスト概要

受験のきっかけは前職の営業職での経験からです。木を見て森を見ずで複雑な状況に追い詰められたり、空気を読めない発言をしたり、頭の中で言いたいことがすぐにまとまらないなど。今後の参考に得意分野・苦手分野を知りたいと考えました。

この検査は発達障害の有無を調べる際に参考にはされますが、あくまでも得意分野・苦手分野を知ることが目的です。例えば、自分は耳で聞いたことを覚えにくいという傾向がわかれば、会社や学校ではメモをよく取ったり、書いて教えてもらったりする方法を考えるなど、日常対策の参考になります。
検査によって、自分の「言語理解」、「知覚推理」、「ワーキングメモリー」、「処理速度」の値がわかります。全検査IQと4つの群指数(言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度)はそれぞれ100を平均として、数値化されます。
(心理オフィスK(https://s-office-k.com/psychologicaltest/wais)より)
以下の表によると90-109が平均で、全体の49.5%を占めます。

得点

分類

全体の中の割合(%)

130以上

非常に高い

2.5

120~129

高い

7.2

110~119

平均の上

16.6

90~109

平均

49.5

80~89

平均の下

15.6

70~79

低い

6.5

69以下

非常に低い

2.1


https://s-office-k.com/psychologicaltest/wais

「言語性IQ」は「言語理解」と「作動記憶」から算出され、「動作性IQ」は「知覚統合」と「処理速度」から算出されます。
指標の差を「ディスクレパンシー」と呼び、能力間に差があると日常生活で困難を感じやすいです。

受けられる病院・カウンセリングオフィスは結構あります。料金は2万円ほど。
自宅から近い場所をネットで探して、予約して受験しました。検査を受けて2週間後くらいに再度訪問して、数十分のフィードバックをいただきました。

以下、検査項目の意味と、問題の一例です。
言語理解:言語的能力、言葉の表現力。
例:「「〇〇」という熟語の意味を教えてください」
●知覚推理:認知的能力、非言語的推理力。
例:手本の模様になるように積木を組み立て。
(世の中ではWAIS-Ⅲでの「知覚統合」を使っている方多いです。)
●ワーキングメモリー:記憶力、注意集中力。
例:数字の暗唱。(1、3、5、6、9、8を逆から言ってください、とか)
●処理速度:単純作業の処理スピード。
例:紙と鉛筆で記号処理。
色々項目があります。2時間以上頭を使うのですごく疲れました。

結果!

1番高かったのは言語理解と処理速度で110-120の間でした。そんなに低くなくてよかったです。
しかし知覚推理は90前半でした。一応、上の表だと平均範囲内ですが、そのオフィスからもらった表によると、同年代と比較すると平均よりやや下でした。また上位の2指数との差が30弱あり、統計的に見て能力凸凹が大きいと言われました。レポートにもはっきり書かれました。

心理士との面談で色々聞けます。
知覚推理に関しては
「視覚情報の中でパターンを見つけ出すことが得意」
「だが、日常生活や職場において慣れ親しんでいない状況で素早く状況理解すること、臨機応変に課題を達成していくことに困難を感じやすい。」
とのことでした。

そして「総合職は難しいんじゃないですか?」と宣告。まあ経営的判断ができることを目指す総合職は無理だとうすうす感じていました。

他、言語量は豊富、言語に関する理解、表現力も問題なし、言葉や数字などの聴覚情報の一時的に保持して表現する(ワーキングメモリー)も標準範囲。
処理速度に関して、視覚情報をもとに素早く行動に移す力は非常に高い。だが、その情報をもとに判断をする作業が加わると作業スピードは落ちて平均的になるとのこと。

知覚推理に関してもう少し

知覚推理の下位検査の点数(1~20の点数)をメモさせてもらえばよかったです。点数が大きなギザギザで差があったんですよ…同じ知覚推理でも、細かい分野別の良し悪しもわかり、その把握が大事らしいです。


苦手を指摘された「部分→全体」は、「パズル」の点数だろうと読者さんに教えていただきました。
部分から全体につなげるのが不得意なのは、思い当たりがあります。「木」を見すぎて「森」に気づきません。一点集中しすぎて過集中になることもあります。
段取りが悪いので、突然の新しい状況にあたふたしてると感じることがあり、営業職ではなかなかに大変です。大人数のパーティでのお金計算ができない、いい頃合いでお酌をしにいくのが下手、会議で質問者の言っていることが即座にわからないなど。

おもしろいですよね。こんなこと、誰も学生時代は教えてくれないんですよ。医療機関で数万円はらって検査しないと、実はとある知能だけ低かったとわからないのです。
よほど生活に困り感がなければ、そのままモヤモヤを抱えて生きるのです。私はてっきり、自分は何でもやればできると思って20何年間生活してきました。キラキラバリバリキャリアを歩むつもりだったんですけどねぇ…この1年でやっと、理想と現実とのギャップに折り合いをつけてきた感じです。

 

知覚推理について参考になりそうな記事を見つけましたので、貼らせていただきます。

asph29.hatenablog.com

 

日常生活をふりかえってみると

以下はこの1年であれこれ考えたことです。

心理検査で分かった処理速度の速さと知覚推理の遅さの凸凹は足を引っ張りあっている感じです。処理速度の速さに対して、状況判断が追いつかず、取りこぼしがありそうです。
・知覚推理が低いと、「地図が読めない・方向音痴」という指摘を見るのですが、私はなぜか?地図は読めます。一度訪れた場所を再訪するときは高確率でするっといけます。地図読むのもそんなに苦労しないです。単に動物の勘が優れているだけかもしれません。というか、勘がいいと考えないから、知覚推理高くないんじゃないかと最近思いました。(いや逆なのか?)
ただ、目的地に行けるのは、得意と指摘された「パターンを見つけ出す」が当てはまりますかね。下位検査項目としては「行列推理」らしいです。目的地に向かうときに景色のパターンを見つけ出すというのは、行列推理に当てはまるのかもしれません。
ちなみに、知覚推理が高そうな家族は、地図苦手で方向音痴です。外を歩くときにあまり景色を注意深く見てないようです。彼は物理数学が特にできて理系科目だけで大学試験を突破しようとしてたのですが。外に注意が向いているか否かや、景色への興味も関わると思います。知覚推理の中でも得手不得手があって興味深いです。

・あと、Twitterなどで見かけるのが「絵が下手」説。
たまに絵を描くのでちょっとショック。でも練習すればみなそれなりにうまくなると反論してる人もいました。

・洋服見たりするのが好きなので洋裁も興味ありましたが、小学校のときミシンめちゃ苦手でした。ミシンが突然ガーーっといって止まるの恐怖症です。
展開図を頭の中で組み立てたり、きっちり縫ったりするの苦手だろうなと察知してしまうのがよくないですね。

・運転免許を取るのが難しかったと書いてる方もけっこういらっしゃいます。
「自動車運転能力を反映する下位項目として、数唱、語音整列、符号、積木模様が報告されている。また、群指数では、知覚統合、作動記憶、処理速度が、運転 能力評価の上で有益な参考値となる。」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcts/16/2/16_3/_pdf/-char/en
運転免許はとくに問題なく取得できました。たまに大胆な運転を諌められた記憶がありますが。上の資料によると、ワーキングメモリーや処理速度の影響がけっこう大きいみたいです。

 

ぼんやり苦手そうなことに理由づけがされてしまった今、どういうふうに対応していけばいいんだろうと感じます。挑戦前にお察ししてしまうのよくないなーと思いますが、高望みせずにやっていくのがいいのかもしれません。

 

*以上素人意見なので、解釈違いなどある恐れがあります。ご注意ください。また思い出したら追記します。